ダンベル何キロ持てる?(1話目感想)
こちら現在、裏サンデーというネット漫画に連載中の漫画をアニメ化したものです。
スポーツジム通いに焦点を当てた…、っというか、ジム通いの中でも筋トレ。それもボディビルダーを目指す方向の筋トレに焦点を当てた漫画のようですね。原作者の名前は、サンドロビッチ=ヤバ子さんとなっております。この方、同じネット漫画の中で、「ケンガンアシュラ」という格闘漫画も描いており、そちらも、今季は、WEB放送でアニメ化されるそうでうです。一気にブレイクしてきている方なんでしょうね。
主人公は、食べるのが好きすぎて、最近、体形が気になり始めた女性高校生、紗倉ひびきちゃんです。アニメ開始冒頭から、たこ焼き、カレーパン、焼きそばパンと栄養摂取を欠かさない育ちざかりの女の子ですが、年頃なので彼氏も欲しいが、このままでは彼氏などできようはずもない。
…てな訳でダイエット開始、「当初はお金を使わずに…」と思っていたけれど、運動習慣ゼロのひびきちゃんは、早々と挫折、三日目にはスポーツジムの見学を決意という始まりです。
ここまで見ると、自力を諦めて、ジムに通おうとする所が「ひびきちゃん偉い」と褒めてあげたくなりますね。親戚の子にこんな子いたら、「これで良質なプロテェインでも買いなさい。いいから、いいから…」と言って、お小遣いの一つでもあげたくなります。
ちなみに、ここでひびきちゃんのビジュアルをご紹介しておきますが、一言で説明できます。「ギャル」です。ただ、行動の一つ一つは、けっして遊んでいる子の言動とは思えないので、ファッションギャルというか、外見はギャルだけど、中身は純朴な女の子という、現在、若い子からおっさんまで、かなり広い層から求められている人材と言えます。
そんなに頑張ってダイエットしなくても、こんな風に素直な子なら、クラスの中に一人や二人くらい好意を持ってくれる男の子がいそうなんですが、ギャルというファッションが、普通の男の子達にとってのハードルを上げさせてしまっている所、また、純朴+ギャルというギャップ感を効率的に使えていない…、それどころか、そんな物が効果的に使えるなんて考えてもいない。そういう点も含めて出来上がったのが、この紗倉ひびきちゃんという女の子のキャラクター設定なのでしょう。その辺の擦れてない感じは、見ていて好感が持てます。
ひびきちゃんが選んだスポーツジムが入会費無料キャンペーン中の「シルバーマンジム」です。そして、その場には、もう一人入会希望者がいました。なんと、ひびきちゃんと同じ学校の生徒「奏流院朱美」さんです。ビジュアル的には黒髪長髪の清楚なお嬢様っぽい出で立ちです。
二人が入会説明会に行った「シルバーマンジム」は、ダイエット、美容というイメージからは大分離れた、ゴリゴリの筋トレ系のジム。勿論、ひびきちゃんは、早々に離脱を決めるのですが、ここで黒髪清楚のお嬢様「奏流院朱美」が実は、かなりの筋肉フェチだった事が発覚。しかし、異変に気付いたひびきちゃんがジムから離脱しようとした時に現れたのが、爽やかイケメンインストラクター街雄先生。ひびきちゃんのど真ん中ストレートに一発鋭いのが入りまして、ひびきちゃんも入会決定という運びとなりました。
そして、いざ、入会、トレーニング開始。
まぁ、内容はベンチプレス説明やスクワットの説明や、鍛える筋肉の説明ですね。その間、説明のビジュアルには奏流院さんの露出が高くなり、小さな喘ぎ声もついて、少年漫画必須の微エロもちゃんと加えられております。この辺は、なんせ母体が少年漫画のサンデーですからね。抜かせない所なんでしょう。
それでもひびきちゃんなりにトレーニングをかんばるけれど、どうしても経験者の奏流院さんと差をつけられてしまいます。若干の落ち込みを見せているひびきちゃんに、待雄先生の優しい声、顔だけではなく、心のイケメンの待雄先生!今日もぐらりと心を揺らがされまくるひびきちゃん。
疲れ切ったひびきちゃんに、待雄先生の優しいアドバイス。
「…再度、挑戦すればいいよ」
それがいけなかった。
「再度…、さいど、サイド…、サイドチェスト!(ボディビルダーのポージング)」
そう叫んで待雄先生がポージングを決めると、同時に、待雄先生のジャージがはちきれて、鍛え抜かれて筋肉が咆哮をあげた。限られた骨格に所せましと、バンプアップした筋肉がぎゅうぎゅうに敷き詰めされていて、その上に取ってつけたように、待雄先生の甘いマスクが添えられている様は、まるで不出来な合成写真を見せらているようだった。
…てな感じの軽いショック映像を見せられ、家路に帰るひびきちゃん。
帰り道では、やはり、ひたすら口に何かを入れているひびきちゃんを見て、奏流院さんが一日の食事の回数を聞く。その答えは間食を入れて計6回程度。
ひびきちゃんが、そう答えると奏流院さんの目が光る。怒られると思いたじろくひびきちゃん。ところが、近寄って、ひびきちゃんを誉めまくる奏流院さん。
「食べられるのも才能。あなたは金の卵よ。私と一緒に筋肉道をめざしましょう。いつか最高のムキムキになるため」
即座に答えるひびきちゃん、
「嫌だよ」
危うし、ひびきちゃん。ムキムキへの道を歩まされてしまうのか、彼女は本当に適度なシェイプアップボディで留まれるのか…続く。
一話目は、こんな感じの話でした。
感想としては、上手く抑える所を抑えてつくってあるなという印象です。先に書きましたが原作者のサンドロビッチ=ヤバ子さんの他の作品で、ケンガンアシュラという格闘漫画がありますが、それも、やはり、きちんと格闘物のストーリーのセオリーのような物を捉えているように思えます。だから、私が、サンドロビッチ=ヤバ子さんの作る作品に対して思う事は、ギャグだろうが、シリアスだろうが、とてもシステマチックに作られているなという物でした。
例えば、「ダンベル何キロ持てる?」もギャル風な女の子と、黒髪長髪で真面目そうな女の子を組み合わせたというのも、外見的に対照的なキャラを軸において、見ている人を引き付けるという効果を狙っての事なのでしょう。また、女の子の性格を、真面目そうな女の子を筋肉フェチという、見ている人たちから若干異質なキャラクターに設定して、一方、ギャル風の女の子を、体形を気にしつつ食べる事が好きで、運動しようとしても根気が続かないという、見ている視聴者に近い性格に設定している点なのは、さらにもうひと回転させて、女の子の性格そのものも、本人の外見の持つイメージとは違った物を設定するというのも、意外性を狙った物なのでしょう。
「ダンベル何キロ持てる?」の場面設定は、運動というジャンルのフィットネスジムの中の、さらに筋トレという一作業がテーマとなります。ある意味、マニアックな方面への枝分かれしていくベクトルの作品といえ、その時点で意外性はあり、その上、フィットネスのハウトゥー本のという側面があります。こういった場合、わりと、「テーマ設定とハウトゥー内容だけ、ちゃんとやっていればいいや」となりたいところですが、ちゃんとギャグ漫画、萌漫画のセオリーを使っていらっしゃいます。
こういった原作の油断のない所を見ていると、わりと期待できるアニメなのかな~とも思って期待しております。


